早川家

Los Angelesの北西にある山に囲まれた美しいTopanga Canyonの自然の中で10年以上生活している早川一家。ご主人の光さんはアーティスト、奥様の一世さんも絵を描き、一方でアメリカ人の子供たちに日本語を教えています。二人のやんちゃな息子さん(9歳と6歳)と家族の一員であるBenくんと共に「地に足生活」を目指す一世さんにLAでの生活についてお話を聞きました。

早川家

Los Angelesと大阪の生活で大きく違うと感じること。

毎年夏に子供たちを長期で大阪に帰国するのですが、息子達を近所の日本の学校へ体験入学させてもらっています。大阪では子供たち同士が自由に遊びに行ったりしてますが、LAではできないことですね。車社会だということもありますが、大人が必ず送り迎えをするし、また子供同士の付き合い=親同士の付き合い、になりますから。家族での付き合いができる分、一生の友達になる可能性もLAだとありますが、その点大阪だとそれはなかなか難しいかもしれません。

早川家

「ボランティア精神」の大きな違い。

ここに住む人は子供の学校の為、地域の為、困っている人の為、とにかく無償のボランティア精神を驚くほど持ち合わせています。自分ができる範囲の中で時間を割いて、何らかの奉仕活動をしている人が本当に沢山います。私は、息子の学校で日本語や日本文化を教えることをしたり、他の父兄と交代で先生のサポートをしたりしています。またビーチで年に一度ゴミ拾いに参加する人やホームレスの施設でクリスマスに食事を配りをする人たちも周りにいます。

早川家

教育モットーは「よく学び、よく遊べ」。

目に見えるもの、耳に聞こえるもの、鼻に香るもの、そして口に入るものに対して、たくさん感動して欲しい。 例えば、夕日を見て泣ける、蝉の声に命のはかなさを聞く、雨上がりのにおいに草花の幸せを知る、そしてやっぱり食べることに、生かされていることへの感謝をするって感じでしょうか。

早川 光さんのアート作品

早川家

早川家

「自国への誇り」をとても意識しだした。

子供を育てながら、様々な学校行事に参加したり、授業を見る機会に恵まれていくうちに、この国に住む人たちがどうしてアメリカという国に愛国心を抱くようになるのかがよくわかりました。例えば、3年生の息子の授業で学年末のプロジェクトで「一人の米国人の偉人を選んでその人について発表する」というもの。各生徒が一人の偉人が何をした人で、どういう人か一生懸命調べ、最後には自らが偉人の格好をして父兄の前で発表するのです。親も巻き込んでの大プロジェクトに家族総動員の大騒ぎ。

何よりも素晴らしいのは生徒の数だけアメリカの偉人について学べるということと、アメリカにはこんなに多くの素晴らしい功績を残した人がいるーすなわちすごい国であるという自国に誇りを持てる教育なのです。

この時の子供たちの楽しそうに発表する姿に、親としてもこの国に住む一人人間としても誇らしく感じたのは言うまでもありません。ちなみに息子が選んだのは農業労働者の権利を確立した「シーザー・チャベス」。選んだ理由を問うと「ボクに顔が似てるから」。

現在の日本の子供たちは、果たして「日本」という国に対して誇りを持つような教育をされているのでしょうか。

早川家

日本人はもっと自国の歴史と伝統に基づいた文化を知り、
誇りを持って日本のことを愛すべき。

息子の学校で、せっせと日本文化を教えたり、日本語をアメリカ人に教えている私ですが、それは一人でも多くの親日家ができればいいという思いもあるから。当然、時には言いたくないこともあえて言う時もあります。なぜなら日本人としてかつての先人のように正々堂々としていたいと思うからです。ペリー来航した頃の文献を読むと、その時初めて出会った日本人は「未開で野蛮な人種であろう」という西洋人の予想を裏切り、驚くほど洗練された態度や物腰で異人たちを迎えたという話が載っています。日本人には、正々堂々と誇れる文化や歴史があるのです。子供たちだけでなく我々大人も日本という国にも誇りを持って欲しいと思います。外国に住むことは、自分が日本人であることを痛切に感じる機会が増えることでもあります。これからも日本人として、人間として「自分のやっていることに正々堂々とした態度をとっているか」ということを常日頃から自問自答しながら「地に足」をつけて生きることを目指して行こうと思います。

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